中学2年の夏休みに高校の先生に数学を教えてもらった。
歳の離れた兄の同級生が高校の先生で、そこに通って四回ほど教えてもらった。
そのときに運命的な言葉に出会ったんですよ。
「答えは合ってるんだけど、解き方がきれいじゃないなあ」
あれっ???
答えが合ってるのに、なんで???
「きれい」は、会話のなかで一瞬出てきたもの。
それについての話が続いたわけではなかったが、「不思議だな」という感覚だけが残った。
「数学のなかに美しさがある!?」
そして、それがどんな美しさなのか、それがつかめるものならつかんでみたいという、
好奇心のような憧れのような気持ちとして、中学生の私の胸の奥深くに静かに響いた。
だが、この言葉は四十年後、私の心に「大爆発」を与えることになった。
「私版 竹の子の時代」のように書いてみた(笑)